住友ビルディング (現 三井住友銀行大阪本店営業部)
住友ビルディング (現:三井住友銀行大阪本店営業部)
竣工:1期:大正15年(1926年)/ 2期:昭和5年(1930)
設計:住友合資会社工作部(野口孫市、長谷部鋭吉、竹腰健造、日高胖)
施工:大林組
SRC造、地上6階地下1階
忘れたころに蘇ります、船場近代建築ぶらり探訪シリーズ。
昼に撮れよ見づらいよと言われそうですが、夜に通りかかったので薄暗い風情をお楽しみください。
(などと書いていたら物部が昼に撮った写真を持ってきてくれました!)
こちらのビル、なんと言っても規模が違います。一周するのにも一苦労。というのも納得、財閥系の近代オフィスビルとしては現存するものの中で日本最大と言われています。
この巨大建築物を建てたのは、住友銀行の開業者で住友財閥の発展に大きく寄与した住友友純。このためにのちの日建設計となる住友工作部を設立し、当時の日本のトップの建築家達とともに五年以上の歳月をかけて完成させました。
建設最中に関東大震災が起こり、その甚大な被害を知った友純は、当初7階建てで設計されていたものを5階に変更。のちに増築されて現在の6階建てのビルディングとして完成されました。
設備設計はアメリカのテニー・アンド・オームス社が担当。当時の日本にはここまでの大規模建築に対応できる設備技術は発達していなかったそうです。
華美すぎずシンプルさが美しい外観ですが、内装はがらっと印象が違い非常に豪奢でまた別の見応えがあります。
日本を代表する歴史的価値の高いビルであり、4年ほど前には耐震補強工事も完了。
建物は存在する限りどうしても朽ちていってしまうものですから、姿を変えずになるべく長く残り続けていってほしいものです。
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