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北浜レトロビルヂング


 

■北浜レトロビルヂング

■住所:大阪市中央区北浜1-1-26

■構造:レンガ造り(地上二階地下一階)

■竣工年:1912年(明治45年)

■設計:不明

■施工:不明

京阪北浜駅から土佐堀通りを東に数分歩いたところ、ちょうど証券取引所の真向かいあたりにある趣のある洋館が今回の主役「北浜ビルヂング」です。決して大きくはありませんが、瀟洒な佇まいは雰囲気充分。ビル街の中でひときわ目を引く建物です。

これまでご紹介してきたレトロビルはRCかSRC造のものでしたが、この北浜レトロビルヂングは初の煉瓦造。このあたりで現存する煉瓦造の建築物では最も古いものとされています。登録有形文化財に認定されるほどのビルなのに設計施工が不明なのも不思議な話ですが…。

こちら英グラスゴー派の影響を受けた建築とされていますが、グラスゴー派のリーダーであるC.R.マッキントッシュの没年が1928年ですから、本国の流行とほぼ同時並行で輸入されてきた、当時としては最先端の建築様式だったと言えるのでしょう。

歴史的価値がありながらこのビルもまた、これまでご紹介してきた近代建築と同様、今も現役で働く「生きた建築」であります。もともとは証券仲買業の商館として建てられましたが、歴史を跨ぎ、1997年からは現在のビルオーナーが店舗として活用しています。1階は紅茶缶やイギリスの雑貨焼菓子などが販売されているコーナーで、2階はこの界隈でも屈指の人気ティーサロン。土佐堀川越しに中之島の薔薇園を見渡せる抜群のロケーションのなか本格的なアフタヌーンティーのセットが楽しめるということで、前を通ると平日でも女子たちが人だかりを作っています。(こちらの写真はコロナ禍に入る前に撮っていたもの)

正面の入り口を縁取るのは洒脱なデザインにアレンジされた花崗岩の切り石。壁面はピンク色の化粧レンガで彩られています。窓枠一つとっても作り込みが繊細で美しく、ここが日本のましてや大阪だなんてことを忘れてしまうほど。

内装も現オーナーのこだわりによって明治時代の英国建築風に全面改装されています。白い壁に欧風でアンティークな色調の柱や窓枠は華やかで洗練された雰囲気を放ち(なんとターコイズブルー!日本の内装ではなかなかない色味ですよね)、その他小物や家具に至るまですべて本場イギリスから取り寄せた本格的な仕様。まるで本当にロンドンにいるような感覚になれる空間です。

私はイギリスが大好きで何度か旅行で訪れているのですが、こんなご時世ですしこの先数年は海外旅行もなかなか難しくなるでしょう。せめて近場で本格的な雰囲気だけでも味わえたら最高ですよね。そんな時はぜひ船場の街をぷらっとしてこちら北浜レトロでお茶でもいかがでしょうか。