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小西家住宅


久しぶりの、ぶらり船場近代建築探訪シリーズ。

■小西家住宅

■大阪府大阪市中央区道修町1丁目6−10

■木造地上二階(蔵は三階建て)

弊社から歩いて3分、堺筋の通り沿いに、周囲のオフィスビルや洋館とはあきらかに異彩な存在感を放つ日本家屋があります。

コニシボンドでおなじみ、コニシ株式会社の黎明の地となった場所です。

小西家は、京都に生まれた初代小西儀助がこの地道修町にて1856年に薬種業を創業し、小西屋と冠したことから始まる商家。この建物は二代目小西儀助が明治36年(1903)より3年の年月をかけて社屋兼住居として建てたものです。

堺筋は御堂筋ができるまで大阪のメインストリートとして栄え、そんな大通りに面した大きなお屋敷を持つ小西家がいかほどに裕福だったかを夢想させられます。

最近、この建物が谷崎潤一郎「春琴抄」の舞台なのだと最近知り、とても驚きました。そういえば船場の裕福な薬種商のお話でしたね。小西家とこの小西家住宅をモチーフにして書かれたものだそう。

学生の頃読んだ小説の町といつの間にか生活圏となっていた町はまったくと言っていいほど自分の中で繋がっておらず、なにも気づくことの無いままついつい呑気に過ごしてしまっていました。

せっかく谷崎の数々の傑作の舞台となった地に日中暮らしているのだから、今もう一度読み返してみるべきなのかもしれないな、と思いました。

閑話休題。竣工当時は3階建ての家屋でしたが、1923年関東大震災が起きた時に、大阪でも同規模の災害に見舞われることを危惧し、最上階部分を撤去したそうです。

そのような配慮の賜物か、木造建築にも拘らず、第二次世界大戦の戦火や阪神大震災などを見事乗り越えて、ほぼ当時のままの姿で現存している貴重な文化遺産です。