企業インタビュー
INTERVIEW08
「完全オフグリッド」を目指す、国内外から注目を浴びる気鋭の注目企業。
まずはモノクローム様の創業の経緯をお聞かせ願えますか?
【福川様】
モノクロームは、創業者の梅田優祐が自宅を建設する際に、理想の住宅用太陽光パネルと、つくられた自然エネルギーを効果的に制御するためのソフトウェア(HEMS)が存在しない問題に直面したことをきっかけに、その問題を解決するため、CTOのラス・イズラムと共に2021年7月に設立された会社です。
モノクロームは、再生可能エネルギーを主電源として、タッチパネルやスマホで家中の設備や家電をコントロールできる、機能面と意匠性どちらも妥協しない家を目指しています。
具体的にはどのような事業を展開されておられるのでしょうか?
【丸茂様】
Roof-1という、屋根一体型太陽光パネルを開発しています。
これは従来の太陽光パネルを乗せた屋根とは違い、通常の板金の屋根と太陽光のモジュールをデザイン的に一体化させることで、太陽光発電の存在感を消しつつ、エネルギーを作ることができるという次世代型の屋根です。屋根の色味料とモジュールの色味を合わせるために、何度も調合して一体に見えるよう開発を進め、2023年3月にローンチしています。
蓄電池は、Tesla Powerwall認定販売施工会社に認定されている他、HUAWEIさんとパートナーシップを結んでいます。
【福川様】
もう1つが、Home-1という商品です。
従来のHEMSは、各メーカーの設備を横断してコントロールすることができず、ただエネルギーを可視化するシステムに過ぎませんでした。
そこで、弊社では、約18インチのタッチパネルを壁に埋め込み、一元管理できるシステムを開発しています。
主には電動カーテン、空調、エコキュート、照明などですが、今後はセキュリティカメラやインターフォン、宅配ボックスなども連携できるように現在開発を進めています。
これら設備自体は、各メーカーさんの製品ですので、パートナーシップを結びながら、今後も共同開発をしていく予定です。
また、一般市販品の無線でネット通信が使える電子機器を弊社側で通信がコントロールできるかどうかをテストするなど、これから接続可能な設備を増やしていこうと考えています。Home-1は2023年10月にローンチしました。
丸茂様はRoof-1、福川様はHome-1の責任者をされておられますよね。 お二人がモノクローム様にご入社される前のご経歴についてお聞かせください。
【丸茂様】
私は、高校から大学院までずっと建築科で建築のデザインを専攻しており、卒業後は意匠設計に5年ほど従事しました。その後現場監督として建築家の方々と仕事をするというスタイルで、物作りをしてきました。
モノクロームにジョインした経緯は、代表の梅田の知り合いの建築家たちの中から、私の名前を挙げていただいたということでした、その後梅田から直接連絡があり、話を重ねて、現在に至ります。
【福川様】
私は大学卒業しまして、ゼネコンの電気設備部の方でいわゆる施工管理をしていました。
そのあと大手自動車部品サプライヤーに入り、メーカーのいわゆる住宅設備の営業設計をしていました。車の部品メーカーなので全国に代理店がないのですが、それがビジネスになりそうな予感がして、自分から手を挙げて独立し、仙台で代理店の会社を始めました。そこで6年やっていたのですが、次第に地元にそろそろ戻りたい と考えるようになる中で、エステム建築事務所さんを通してモノクロームのお話をいただきました。
ご入社されるにあたって、モノクローム様に決められた一番大きなポイントは何だったでしょう?
【丸茂様】
プロジェクトの大きさです。ここまで大きなプロジェクトを異業種から日本の建築業界に参入をして、ゼロからものづくりをする。 それを一緒に成功させないかという、その熱意と面白さに惹かれましたね。
【福川様】
私が応募したころは商品もなく、ホームページもまだ人の似顔絵が載っているだけのページでした(笑)
でも面談前にその似顔絵を見て、あ、こういう人がいるんだなと想像するのも楽しかったです。
丸茂と面談をさせていただき、そこで事業や展望を伺い、もっとたくさんモノクロームについて知りたいと思いました。
その後梅田と会うことになるのですが、 丸茂もそう感じたように、スケール感が違うんですね。やはり一度大きく事業を成功させている人なので、 梅田の持つスケールに衝撃を受けました。
スケール感のお話になりましたが、確かに従来のスタートアップ企業さんとは違うように感じました。
【丸茂様】
おかげさまで、スタートアップであるにも関わらず多くの引き合いを頂いている状況です。雑誌など各種メディアでも取り上げられていただいています。
代表の梅田が、1度成功をしている事もあり、梅田を信頼する多くの方々からもお声がけもいただいています。
ほかには弊社が出展するイベントに大手設計事務所さんや大手ゼネコンさんなども視察に来てくださっています。
今後のRoof-1、HEMSなどの各事業として、また会社としての中長期的なビジョンについてお聞かせいただけますでしょうか。
【丸茂様】
全国に展開することを念頭に置き、会社としては上場を目指しています。
Roof-1に関しては、住宅だけでなく非住宅にも手を広げています。既に宿泊施設や商業施設からも依頼をいただいている状況です。今後は住宅だけではなく、商業施設など様々な物件で採用頂けるよう新たな屋根の開発を進めて行こうと思っています。
【福川様】
Home-1としては、将来的に電気を買わない完全なオフグリッド化を目指していきたいです。
災害時にもしっかり自分の家で自分の家族や家を守ることができるというところを主たる目的に置いています。
実例として、先月、長野県の国立公園内にある冷泉小屋という建物に弊社のRoof-1が導入されました。
その建物は登山者の休憩小屋という名目のため、不特定多数の人が行き交う場所ですが、電力系統が繋がっていません。
Roof-1で作ったエネルギーをTeslaさんの蓄電池に貯めて、完全なオフグリッドを実現することができました。
これまでは高い山の上まで充電したバッテリーを1日2回も運んでいたのを、今では電力の自給自足が出来るようになって「最高です」という感想をお施主様からもいただきました。
完全なオフグリッド化は難しいところもあるかと思うのですが、そこに対しての今の課題はありますか?
【福川様】
完全オフグリットにするために、Roof-1で発電するエネルギーの量と蓄電量、電力消費量、この3つのバランスをシミュレーションする必要があります。モノクロームでは案件毎に、ひとつひとつの設備を拾って消費量を計算しています。こういったシミュレーションを徹底的に行っているところも他にはない高いサービスを提供できていると思います。
重複しますが、モノクロームでは、このRoof-1とHome-1で、建物のエネルギーを全てコントロールするというところを目指します。
「作る,貯める,使う」をコントロールし、「デザイン,エネルギー,オートメーションコントロール」の3つの価値を世の中に提供していきます。
ありがとうございます。 次に、社風についてお訊きできたらと思います。
【丸茂様】
モノクロームはとてもオープンで自由な会社です。仕事の責任を果たす事を前提に、いつどこで働いても良いというスタイルで仕事をしているため、各々仕事のパフォーマンスを最大限に発揮できる場所を選んで仕事をし、自由に休みを取っています。
建設技術者だけではなく、海外メンバーで構成している各種エンジニアチームなど、多種多様な人たちが在籍しており、フラットな関係性です。
組織としては、「部署」というものに近い「チーム」というものはありますが、チーム部署ごとの垣根を作りたくないとう梅田のポリシーを大切にしています。
そのため縦割りがほとんど存在せず、チームをまたいで日々連携しながら、業務を行っています。
ある程度やることは決まっているとはいえ、ガチガチに何をするかを決めていないのがモノクロームのスタイルです。梅田は常に「『こうしなければいけない』というルールを決めれば決めるほど、人は思考停止してしまう。自発的に各々が動いて、会社のためにとって何がいいのかを皆が考えられる組織にしたい」と言っていますので、そんなcolorの社風になっていると思います。
どのような方が御社にフィットされると思いますか。
【丸茂様】
ご入社いただく場合、その方が持っておられるスキルや能力に期待する部分はもちろんありますが、それに囚われることなく、プロジェクトを成功させるために何ができるかをその方自身で考え、提案していただける方が向いていると思います。
例えば配属されたチームの仕事をこなすだけでなく、常に他のチームにもアンテナを張れるような、そういう方に来てもらえると嬉しいですね。
御社は基本テレワークが主体だと思いますが、コミュニケーションはどのように取られているのでしょうか。
【福川様】
SLACKというアプリを使ってそこで皆が頻繁にコミュニケーションをとっています。
皆がSLACKがオフィスと言っているくらい、会話が毎日溢れていますね。
建設業界で働く人が通常やり取りしている、おそらく5倍ぐらいの情報を仕事でやり取りをしている感じです。
ずっと建設業界で生きてきた人間にとっては、かなりIT化が進んでいる会社だと感じています。(笑)
【丸茂様】
本当にその通りで、SLACKがうちの全てのコミュニケーションツールと言っていいぐらいです。
会話じゃなくて文章にはなるのですが、普通に会社に行って、会っている以上の会話を色んな人がしているという状況ですかね。それとは別で私のチームでは週に1回、打ち合わせしたり、議論したりっていう場を設けたりもしています。
とはいえ、やはり顔を合わせて会話をすることって大事だよねという部分もありますので、3か月に1度、横須賀の秋谷にある実験棟オフィスで海外メンバーのテクノロジーチームも含めて、全員が集まる機会を設けています。
その時に、事業報告や今後の目標を話し合った後、皆でご飯を食べながら交流を深めています。この写真は2周年の記念パーティーの時です。
お二人がご入社されて良かったと思われた瞬間について教えてください。
【丸茂様】
私で言うと、1年以上Roof-1の開発に携わってきました。
入社時のイメージ通り、本当にゼロからのスタートで、素材は何使うのか、一体どういう仕上げにするのか、どういう形にするのかなど、試行錯誤しながら作り上げてきました。3月にやっとローンチができて、モノづくりにがっつりと携わってこられた事に一番喜びを感じています。
【福川様】
私の場合は、ここまで多種多様な人達がかかわる仕事の経験をしたことがなかったので、最後までHome-1がどういうものになるのか見えてこないというところがありました。
Home-1の10月のローンチにより、各エンジニア達がそれぞれやってきたことを最終的には自分たちの手で1つにし、 商品として形になったことが、達成感やチーム間の絆、努力の結晶みたいなものが見えたというのは一番大きかったと思っています。
最後に応募者に向けてメッセージをお願いします。
【丸茂様】
モノクロームはとても自由な社風でフラットな組織です。
組織の規則や慣習に縛られることなく、会社や社会にとってベストな方法をみんなで提案し、自ら実行できる環境なので、社員1人1人がオーナーシップを持って仕事を進めることができます。会社の創業期・から今後会社が成長していくまでの過程を、会社の中核メンバーとして経験できるので、ご自身の成長にも確実に繋がります。ものづくりの情熱を持った方のご応募をお待ちしています!
(インタビュー:森田時空)
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