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【建設業界】エージェントは登録情報のどこを見てスカウトを送っているのか?

2026.04.27

こんにちは。
今回は、「エージェントや企業は、登録情報のどこを・何を見てスカウトを送っているのか」についてお話ししたいと思います。
ビズリーチなどの転職サービスに登録すると、エージェントから大量のスカウトが届きますよね。
「本当に登録内容を見て送っているのだろうか?」
そう感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
ぜひ話を聞いてみたいと思えるものもあれば、
「なぜこの内容が自分に届いたのだろう?」
と首をかしげたくなるようなスカウトもあると思います。
今回は、どうすれば希望に近いスカウトが届きやすくなるのかを、
エージェント・企業問わずスカウトを送る側=**「スカウター」**の目線で解説していきます。

スカウターから「見えている情報」


そもそも、
「登録した情報が、スカウターからどこまで見えているのか?」
気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、

  • 氏名
  • 携帯番号
  • 住所
  • 生年月日

これら個人情報以外は、ほぼすべて閲覧可能です。
なお、現職企業や「公開不可」に設定した企業については、
登録自体が非表示になる仕組みなので、その点はご安心ください。
そして、スカウトに返信した時点で、
スカウター側は登録されているすべての情報を閲覧できるようになります。

スカウターはどうやって検索しているのか


私の専門領域である建設・不動産業界だけでも、
データベースの登録者数は数十万人規模になります。
そのため、スカウトを送る際は、
まず検索フィルターを使って対象者を絞り込んでいきます。
特に重視しているのは、次の項目です。

① 経験職種(最重要)


当たり前ですが、検索時に必ず設定する項目です。
スカウトの起点になるため、言わずもがな最も重要な項目となります。

希望勤務地


意外かもしれませんが、
**現住所ではなく「希望勤務地」**で検索することがほとんどです。
Uターン・Iターン希望の方も多いため、
現住所よりも「どこで働きたいか」を重視しています。
希望勤務地を未入力のままにしている方は、
それだけで検索対象から外れてしまう可能性があります。
「本当にどこでも良い」という方以外は、
必ず入力することをおすすめします。

③ 希望年収


現年収も参考にしますが、
実は希望年収の方を重視するケースが多いです。
求人ごとに提示できる年収の上限はある程度決まっています。
そのため、明らかに乖離がある場合は、
「そもそもスカウトを送らない」という判断になることも少なくありません。
面談時によくあるのが、
「希望年収800万円以上とありますが、これは必須ですか?」
とお聞きすると、
「現年収以上なら大丈夫ですが、できれば高い方がいいかなと…」
というお答え。
経歴を拝見した上で、
「600万円なら十分可能だが、800万円は正直難しい」と判断した場合、
スカウト自体を見送ることもあります。
20代後半で希望年収800万円以上を選択されている方も見かけますが、
(実際に現職でそれだけ頂いている方もいらっしゃいます)建築業界は「技術力と実績=経験年数」が評価される業界です。
実務経験3年程度で、初年度から800万円を企業に打診するのは、
現実的にはかなり難しいケースが多いのが実情です
(※外資系企業などは例外です)。
特別な事情がなければ、
現年収同等〜+100万円程度で設定することをおすすめします。

④ 保有資格


建設業界ならではですが、
資格の重要度は非常に高いです。
よくあるのが、
経歴欄の文章中に
「昨年、一級建築士を取得しました」
とだけ記載されているケース。
この場合、
保有資格の選択欄でチェックが入っていないと検索に引っかかりません。
せっかくの難関資格も、
文章だけの記載では検索漏れしてしまうため、非常にもったいないです。

⑤キーワード検索(トレンド)


建設業界にも当然トレンドがあります。
最近であれば、

  • GX
  • DX
  • BIM
  • データセンター
  • 中・大規模木造
  • 脱炭素/ZEB設計

などが代表例です。
①〜④で絞っても候補者が多い場合、
最後の絞り込みにキーワード検索を使うことが多くなります。


実際の検索例(データセンター案件)
例えば、企業から以下のような要望を受けたとします。
【企業側の希望条件】

  • 責任者候補
  • 名古屋勤務
  • 英語(読み書きレベル)
  • データセンターの設備設計経験
  • 30〜40代
  • 年収1,000〜1,200万円
  • 設備系資格保有

この場合、私が実際に検索する条件は以下です。
【検索条件】

  • 経験職種:機械設備設計 or 電気設備設計
  • 希望勤務地:名古屋
  • 希望年収:1,500万円以下
  • キーワード:データセンター/DC

まずはこのくらいの条件で検索し、
一人ずつ経歴を確認していきます。

年齢条件があっても、
経歴が上回っていれば企業に打診することは可能なので、
年齢だけで制限することはほとんどありません。
また希望年収も経験によっては十分上回ることも可能ですので、
企業側が頑張れば出せそうな範囲で設定します。
語学力も読み書きレベルであればAIを使ってできなくはないはずですし、
設備系資格も入力していない方も多いためフィルターはかけません。
ただこうなると、まだまだ数百人とヒットしてしまいます。
ですので、最後にキーワードを入力してグッと検索の幅を狭めます。
「データセンター」「DC」というキーワードです。
データセンターの設計業務は専門性が高く、他の用途の経験のみとなると責任者レベルとしては難しいと判断されるためです。

せっかく経験があっても記載をしていなければ、そもそもの検索から漏れるということになりかねません。
上記は私の個人的な検索方法になるので、他のスカウターの方はまた違った見方をしているかもしれませんが、

  • 経験した用途
  • 使用したCAD
  • 関わったプロジェクト

など、書けるものはできるだけ具体的に書くことで、
検索に引っかかる確率は大きく変わります。
専門性の高い案件ほど、
「キーワードに書いてあったから見つけられた」というケースは本当に多いです。

登録の仕方一つで、スカウトの量や質が変わるかもしれませんので一度見直される機会にしてみても良いかもしれません。


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