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意匠設計ポートフォリオの手引き
企業は何を求めている?ポートフォリオを作って転職活動を勝ち抜こう
転職活動の際には履歴書や実務経歴書の他に、自分の力量や実績がひとめでわかるポートフォリオを求められることが多くなっています。ポートフォリオとは、ひとことでいうと「作品集」ともいえます。しかしながら、単なる作品集では採用の決め手にはなりません。転職活動を成功させるためには、企業が求めるポートフォリオを理解する必要があります。
ポートフォリオはプレゼン資料と心得よ
ポートフォリオを作る際に、気をつけていただきたいのが、何のためのポートフォリオかを意識することです。転職活動のためのポートフォリオであるならば、商品はあなた自身になります。採用する側が知りたいのは、この転職活動生はわが社に利益を持たらせてくれるのか、の一点に尽きます。求職条件を熟読しましょう。そしてその会社の社風、考え方、なぜ求人を行っているか、この会社に必要なのはどのようなポジションか等々、自分と企業の懸け橋になるところを見つけ出してこれをアピールすることが必勝の決め手になります。
相手を知り尽くしてこその戦略が大切
NGポートフォリオの例
学生時代に作ったポートフォリオをそのままで持参する
学生の作るポートフォリオは課題の作品が主になります。新卒のときはこれで可です。というよりその方法でしか実力を見てもらえる術はありません。新卒の採用では、即戦力は求めていません。それよりも会社に馴染めるのか、能力を伸ばしていけるのかというところに重きを置きます。
ところが中途採用の場合は話が変わります。
企業側としては現在不足しているスキルを穴埋めできるのか、つまりは即戦力になりうるのかということが肝になります。
見た目の美しさを重視するあまり、何を伝えたいかがわからない
企業側は、美しいプレゼンを見たいのではありません。この会社で活かせるスキルがあるかを見ます。ポートフォリオを美しくまとめる技術は業務の上で必要になることもあります。しかしながら主旨がわからず、単なるデザイン集を見せられても採用担当者は評価のしようがないのです。
一冊のポートフォリオで全部の会社を訪問する
せっかく作ったのだから何度でも活用したい。そのように思うかも知れません。しかし、企業が求める人材スキルはそれぞれに違います。同じポートフォリオを使いまわすのは手抜きしていると同義です。もちろん見る側では判りません。しかし、一般受けするようなポートフォリオというのはなんとなく匂わせてしまうところです。敏感な担当者であれば看破されてしまいます。
どんなポートフォリオをつくればよいか
前項では転職活動で成功できないポートフォリオの例を挙げました。それでは、転職活動を成功させるためにどのような点に気をつければよいでしょう。
それは、相手の身になって欲しい人材をプレゼンするということです。先に述べたように中途採用で期待されるのは即戦力です。現在の自分のスキルを正しく伝えましょう。
現場担当の場合
特に現場の経験しかないという場合、どのようにポートフォリオをつくればいいのか悩むところかと思います。
それはやはり竣工写真をメインに載せるようにします。そしてその物件での担当した経歴を記載します。現場代理人でなくとも、施工図担当や行政の調整担当など業務を細かくアピールすることで、仕事のスキルが把握しやすくなります。また、使用可能なCADの種類、Excelはどれくらい使いこなせるのかも現場のスキルに繋がるので記載すべきでしょう。そしてその現場で苦労した点、工夫した点を写真を織り交ぜながら物語を語るように載せると、担当者の目に留まります。
採用側からすれば、期待した仕事ができない、というのが採用の失敗ということですので、誇大広告にならないように気をつけます。
設計担当の場合
設計の場合も同様です。第一に実務を伝えます。基本設計、実施設計、確認申請担当、設計監理、チーフであるならば、その点も記載します。実績が少ないと感じるならば、コンペ参加など実設計に至らない作品も載せても良いでしょう。その場合でもこの物件の何を担当したのかをわかるように記載します。どの図面を作成した、パースを作成、模型作成、法的検討を行ったなどです。
また、設計事務所であれば設計スキルが知りたいところです。RCやS造の設計経験、使用しているCADの種類などは必須です。どんな雑用ばかりであっても仕事での経験を盛り込まなければポートフォリオの意味を成しません。
転職したてで実績が少ない場合は学生の頃の作品を載せることもありますが、あくまで付属品と考え、多くても2作品に留めるのが無難です。
新しい部門に挑戦したい場合
今まで施工を頑張ってきたが、自分でも設計をやりたいなどまさに転職を求める場合があります。その場合はどのようなポートフォリオで表現するかです。
それは問題ありません。今までこれだけ頑張ってきました、ということが感じ取れれば、今後その経験を活かして頑張ってくれるだろう、と思えます。
転職活動を勝ち抜くために
ポートフォリオは、応募する会社に合わせて内容をチェックし作り上げていきます。経験を活かす内容を心がけます。スキルを正しく掲示することにより価値を評価してもらいます。企業においては協調性も大事なので付帯情報もスキルのひとつです。
会社が求める人材はその会社でしか語れません。ですので一様にポートフォリオを求められたとしても採用に係る担当はひとりの人間です。人の心を動かすポートフォリオづくりは人間形成にも役立つでしょう。
採用担当者の心をつかみ取る、自分を語れるポートフォリオは戦略として正しい武器を得たと思ってよいものです。これからの転職活動の助けになれば幸いです。
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