コラム 建築技術者が書く、リアルなお仕事コラム。

1級管工事施工管理技士について、資格取得者が語る勉強方法など

2023.09.12

1級管工事施工管理技士資格とは

こんにちは。設備工事会社で空調・衛生・消火の施工管理をしている者です。本日は一級管工事施工管理技士資格を持つ私が、資格についての概要と、取得時の経験をもとにお話させていただきます。

一級管工事施工管理技士の資格を取得すると、特定建設業の専任技術者、一般建設業の主任技術者、及び監理技術者になる事が出来ます。

専任技術者及び主任技術者がいないと建設業許可が取得できないので会社の仕事自体が受注できない状態となってしまいます。(500万以下の案件では建設業許可は不要)

つまり1級管工事施工管理技士がいる会社は金額の大きい仕事を受ける事が可能になるという事ですね。

1級管工事施工管理技士を取得すると得られる、その他の受験資格

1級管工事施工管理技士を取得すると自動的に以下の受験資格が得られることになります。
・建築設備士(2年以上の実務経験が必要)
・社会保険労務士(2級管工事施工管理技士も含む)
・自衛隊の予備自衛官補の受験資格 (技能公募)

公共建築工事などでも受注するにはやはり1級管工事施工管理技士の資格が必須です。

1級管工事施工管理技士が多いほど技術力が高い会社として評価されるので公共工事の入札に有利に働きます。公共工事の請負単価は民間工事比べると良いため、会社としても入札に参加するためには1級管工事施工管理技士の有資格者が欲しいと言えます。
よって採用に有利になるので、取得して損はない資格だと思います。

1級管工事施工管理技士の学科試験の受験資格

「引用元 一般財団法人 全国研修センターホームページ」

1級管工事施工管理技士の実技試験の受験資格

「引用元 一般財団法人 全国研修センターホームページ」
実技試験の受験資格の該当項目です

1級管工事施工管理技士を取得した時の状況

次に私が1級管工事施工管理技士を取得した時の状況を説明させて頂きます。
当時、資格を取得したのは私が30歳のころで、現在の会社に転職して2年目でした。

私の会社はありがたいことに年間受注量も多く、毎日忙しい日々を送っています。
会社としては万々歳なのですが、当時もかなり忙しかったと記憶しております。

私は大学を卒業後2級管工事施工管理技士も取得していて、実際現場での作業経験は3年以上あったので1級の受験資格がありました。前述の通り1級管工事施工管理技士は取っておいて損はない資格なので、忙しくていっぱいいっぱいでしたが、キャリアアップのために受験しようと決めました。

以下は1級管工事施工管理技士を取得した時の私の学習状況です。

*管工事施工管理は学科と実技に分かれます。それぞれ別日にありますので当然ながらまずは学科が通る事を目標に勉強するのがお勧めです

1級管工事施工管理技士試験の具体的な勉強方法について

まず学科を通るには過去問題を学習するのがお勧めです。
基本的には過去問から多く出題されるのでそこを学習する方が良いと思います。

私の場合は過去5年分の問題を繰り返し、繰り返し学習しました。おそらく10回以上は反復して勉強していたと思います。

学習期間は学科ですと半年前からしていたと思います。
物覚えの良い方は3か月前からでも良いかもしれません。

本屋で問題集を購入するのも良いですが、私はネットで実際の過去問を印刷してその紙に実際に書き込む作業を繰り返ししました。手を動かし紙に記入していくことで試験問題の内容を脳に刷り込ませていきました。
当時は家族が寝た後に勉強していたと思います。夜寝る前にすると脳に記憶が刷り込まれるのでお勧めです

ポイントは1日に10分でも20分でもいいので継続することだと思います。
設備の仕組みやわからない言葉等は本屋でテキストを購入して調べた方が良いです。

2冊くらいは購入した方が良いかなと思います。必要な情報が記載されている内容の本は本ごとに異なるので2冊くらい購入してみたらよいかもしれません。(1冊だけだとほしい情報が記載されていない場合があるので)

人によって最適な勉強方法はあると思いますが、私はこちらが最適な学習法でした。

学科試験が通ったら

学科試験が通ると次は実地試験に移ります。

学科の試験の翌日には回答が試験センターのホームページに出ています。
そこで自己採点をし、合格を確認したらすぐに実地試験の問題の学習を開始します

実地試験の問題は実際施工を行った工事の作文とそのほか管工事の実技の知識を問われる内容が出題されます。

ここでもネットで過去の問題が出ていますので印刷を行い、ひたすら繰り返し問題を解いていき紙に書いて手を動かし脳に刷り込ませる作業をしました。

特に実地試験では実際施工を行った現場での作文がありますのでそこを重点的に対策する方が良いです。

工事規模や請負金額また場所や工期などを問う問題が出てくるため、その内容を細かく覚えて簡潔に書いていく作業が重要になります。

「簡潔に書くこと」ここがポイントだと思います。
私もこの作文は重点的に対策を行いました。

学習法として望ましいのはやはり書くことで、私としてはそれしかないと思っています。私は記憶力が特別いい方ではないので、とにかく書いて、書いて何回も書くことで勝手に手が動いている状態になっているまでにしました。難しい試験なので、それくらいやるのが望ましいです

1級管工事施工管理技士試験の対策に当たり、苦労した点

苦労したのは、やはり、寝る前に毎日していた、ということです。

正直忙しい事もあり疲労した状態で毎日勉強をするのはかなりしんどかったですし、眠たかったです。睡眠時間が削られるので、翌日の仕事もしんどい毎日が続きましたが、働きながら資格取得を目指している社会人の方は皆同じ苦労を通ってこられたはずです。

現場がハードで今日はすぐに寝たいなんて思う日もありましたが、先ほど述べたように10分でも、1問だけでも良いので継続することが大切なのではないかと思い、必ず机に向かうようにしました。

このルーティンのおかげで私は無事合格できました。一級管工事施工管理技士資格を目指されれる方へ、何かのご参考なれば幸いです。

コラムアーカイブ