コラム 建築技術者が書く、リアルなお仕事コラム。

電気主任技術者の業務内容①

2022.05.16

一日どんな風に過ごす?向いているのはどんな人かを経験者が解説

電気業界における職業の中に「電気主任技術者」と呼ばれるものがあります。一般的な知名度としては高くありませんが、電気業界においては知名度が高く非常にやりがいのある仕事です。

具体的には、電気設備の保安・監督のために点検をメインとして行います。筆者も実際に電気主任技術者として仕事に従事していました。

そこで今回は、電気主任技術者の業務内容と実際に従事して感じたことや体験談などを前半と後半にわけて解説します。

前半では、電気主任技術者の仕事と業務内容、1日の過ごし方や向いている方などの情報について詳しくみていきましょう。

電気主任技術者の仕事と業務内容

電気主任技術者は、「キュービクル」と呼ばれる電気機器を収納した設備にて仕事します。キュービクルは、建物の外や屋上、電気室にて設置されていることが多いです。

事業用電気工作物の保安・監督が一般的な電気主任技術者の仕事内容といわれていますが、このキュービクルが事業用電気工作物に該当します。

No電気主任技術者の業務内容
1月次点検
2年次点検
3竣工検査

電気主任技術者の主な業務内容としては上記のとおりです。どれも電気設備の点検をメインとしています。取り扱う電圧としても低圧から高圧まで幅広く扱うため、多くの知識を身につけておくことが必要です。

月次点検

月次点検は、基本的に1ヶ月に1度行う点検のことです。キュービクルにて電気設備に対する異常の有無を確認します。

No月次点検の内容
1電圧と電流の測定
2漏電の有無の確認
3電気機器の外観点検と温度測定
4その他の異常の有無

月次点検の業務内容が上記のとおりです。電気主任技術者として一番触れることの多い点検が月次点検となります。

試験器の操作などは多くありませんが、キュービクルにて電圧と電流の測定、漏電の有無、温度・外観の点検などを行います。その後は、施設にある分電盤を確認し、施設内での異常の有無も点検するのが基本的な流れです。

年次点検

年次点検は、年に1度行う点検のことです。電気設備の電気をとめて、月次点検の内容をより細かく実施します。

No年次点検の内容
1月次点検の内容
2接地抵抗測定
3絶縁抵抗測定
4保護継電器試験

年次点検における業務内容が上記のとおりです。電気回路を保護する継電器の試験や測定は、専用の試験器を使用して行うため、月次点検よりも覚えることは多くなります。

また、試験器や携帯用の発電機は重量があるため、遠くまで運ぶ際には力が必要です。現場によっては、停電・通電時に電柱を昇降しての作業もあります。

竣工検査

竣工検査は、新しく設置された電気設備が安全に使用できるかを検査する試験です。3つの点検の中で一番多くの項目を取扱います。

No竣工検査の内容
1電気機器の外観点検
2接地抵抗測定
3絶縁抵抗測定
4絶縁耐力試験
5保護継電器試験

竣工検査の業務内容が上記のとおりです。大きな危険を伴う試験もあるため、覚える内容も多くなります。

比較的長時間の現場となりやすいため、夏場では特に体力を消耗します。試験項目以外への配慮も竣工検査では必要です。

電気主任技術者の1日

続いては、電気主任技術者としての1日をご紹介します。筆者が勤めていた際の主な1日の過ごし方が下記のとおりです。

時間行動
8:00出勤
8:30~9:00朝礼・仕事の確認
9:00~12:00点検(月次点検や年次点検など)
12:00~13:00昼食・休憩
13:00~16:00点検(月次点検や年次点検など)
16:00~17:00事務処理
17:30退勤

自由度は高めですが、点検先の依頼主とのコミュニケーションが発生します。質問されたことなどに答える知識や技術力も必要です。

休日出勤や夜間作業は存在する

電気主任技術者の仕事において、休日出勤(土・日の出勤)や夜間作業は存在します。これは、年次点検が必要な施設にて、閉店時や開店前の時間帯で点検を希望する方がいるためです。

商業施設や病院などであれば、休日での点検も依頼されます。そういった際の勤務時間としては不規則となるため、朝出勤の昼帰りや昼に点検の時間だけ出勤するといった流れです。

ただし、休日出勤や夜間作業については、通常よりも多く手当てが発生したり、代休が設けられたりする企業が多いです。忙しい際には土・日の作業も挟まり出勤感覚がバラバラになりますが、手当による給料アップを狙えつつ休みを確保できます。

電気主任技術者は、1ヵ月の点検スケジュールや休みの感覚を自分自身で調整できるため、自由度が高い仕事といえるでしょう。

電気主任技術者に向いている人とは?

電気主任技術者として向いているのは「知識や技術を身につけながら仕事におけるコミュニケーションもこなせる方」です。

というのも、電気主任技術者として行う仕事には必ず人とのコミュニケーションが存在します。

点検した電気設備に異常が生じている際には「気づいたことをいかに相手へ分かりやすく伝えるか」といったことが大切です。専門用語ばかりでは伝わらないため、仕事を通して学んだことをかみ砕いて伝える必要があります。

また、点検の同行者とも適切なコミュニケーションが必要です。電気設備の規模によっては、第一設備、第二設備と複数のキュービクルが存在します。

そういった際には点検に応援を呼ぶため、同行者に電気設備の形状や点検内容、実施する計画をわかりやすく伝え、スムーズに点検を実施することが大切です。

仕事の内容についても大切ですが、何度もこなしていくうちに自然と身につくこともあるため、知識と技術に加えてコミュニケーションも大切にできる方が電気主任技術者に向いていると言えるでしょう。

まとめ

本記事では、電気主任技術者の仕事や業務内容、1日の過ごし方や向いている方などを具体的に解説しました。

後半では、実際に勤めた筆者が仕事を通して感じたことややりがいについてご紹介します。本記事とあわせてご覧いただけますと幸いです。

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