コラム 建築技術者が書く、リアルなお仕事コラム。
FM業務で関わる人たちについて
前回の「FMの1日のスケジュール紹介」において、私のFM業務はデスクワークや会議が多い印象を持たれたのではないかと思います。では日頃、どういった人たちのどういった相談事などで業務に携わっているのかについてもう少し具体的にご紹介したいと思います。
業務委託先の施設管理業者
外部向けFM業者であり一番関わることが多いです。24時間体制で施設を監視しており、施設内のありとあらゆる報告を受けます。
具体的には
・故障等の不具合報告
・電気、水道、ガスなどの使用量や料金などの月次報告
・会社備品や消耗品関係の在庫数
などです。現場寄りの業務に携わる方々であり、建築・機械・電気それぞれの分野で専門性も高く的確な判断で修繕や整備ほか、施設改善の提案なども頂きます。
自分は電気設備が前職からの専門であり、機械設備や建築分野は門外漢なのですが、積極的に専門外の分野についても業務委託先の業者さんへ質問し教えてもらっています。「え?こんなこともわからないの?」といわれてしまうようなレベルの内容も臆さず聞いています。いつも恥ずかしい思いをしますし、ご多忙の中わざわざ教えて頂けるので申し訳ない、という気持ちにもなります。しかし、わかったふりをしてわからないままやり過ごしていても自分の仕事の幅は拡がりません。専門外の分野も1から学ぶということは大変なエネルギーが必要で今の私にとって一番苦労していることなのですが、そこはプライドを捨てて必死にくらいついていくことが何より大事なことだと思います。
テナント系管理部門
施設内のテナントとの賃貸借契約などの管理をする部署の方々です。
店舗によって飲食系、雑貨系、ブティック系と様々でテナントの業種によって施設設備の求められる仕様も大きく異なります。そういった店舗の賃貸借契約前後での店舗内設備の改装が必要な時、工事の調整で私たちFMのスタッフがアテンドします。
ここでの調整で一番苦労する点は、賃貸借契約後の店舗のオープン日が先に決められてしまっているケースです。オープン日が決まっているということはそれまでに改装工事を終わらせなければならないということになります。工事の都合でオープンが遅れたりすると、莫大な違約金の支払いが発生したり、契約金額の減額が発生したりすることになります。
契約前にファシリティにも事前相談があれば慌てなくて済むのですがそれが叶わないケースもあります。
工事資材の納期すらわかっていないのにオープン日だけ決まっているという矛盾に胃がキリキリと痛む思いをしています。しかし、必ず突破口はあると信じて行動し、あらゆる方向から検討してみてどうしても無理な時は臆せず間に合わないことは間に合わないと言ってもいいと思っています。
資材納期が工期に間に合うメーカーを探すために奔走するなどして、誠意をもって行動していればテナントやテナント管理の部署もわかってくれます。
厨房スタッフ
主に料理長や飲食店舗の店長、従業員食堂でいえば管理栄養士の方々ですが、意外と仕事で関わることが多いです。なぜなら、厨房機器や設備についての相談が結構多いからです。
レイアウトの変更、新規の厨房機器の導入検討から設備や機器の故障修繕など関わり方は多岐に渡ります。しかし、厨房はほぼ毎日稼働しており、そんな中で厨房内の工事の予定を調整するのは大変です。
従業員食堂のグリストラップの排水管からの漏水が下階のお客様通路の天井から漏れ出てくるというようなトラブル処理を最近私は経験しました。お客様の人払いとう通路に立入禁止区画作成、立ち入り禁止POPの掲示、漏水箇所の調査・応急処置の手配、従業員への周知連絡、これを夕方から一晩の間に行いました。対応している最中はなんで自分ばかり辛いことをしなければならないんだ、と思いながら対応していますが、こういう案件の経験も積み上げると少しくらいのトラブル案件では動じないような強い心が形成されていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は私の職場を例にFM業務の1日の流れについてとFM業務で関わる人たちについて少しご紹介しました。新しい分野に積極的に飛び込む勇気と、一筋縄にはいかない業務に向き合う毎日で正直大変だと感じたこともあるかもしれません。しかし、やり遂げたときの課題を乗り越えたとき達成感や新しい知識、経験で自分の成長を感じることができるのは格別な感覚です。業務完了後に関わる人達から感謝を伝えられた時はとてもやりがいを味わうことができます。
自分を成長させたい方、マニュアル通りの仕事が退屈だと思う方はぜひFM業務へ転職を検討してみてください。
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