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内部向け(インハウス)と外部クライアント、ファシリティマネジメントのそれぞれの関わり方の違い

2023.06.13

ファシリティマネジメントとは施設を経済的・施設運用における利便性・省エネなどの環境といった観点を意識して改善していくものですがインハウス(社内)のような内部向けや工事会社などのような主に社外のクライアントに対する外部向けではファシリティマネジメントの業務内容や関わり方に違いがあります。今回はそういった内部向けと外部向けのファシリティマネジメントについて、ファシリティマネジメントとして働く私が紹介していきます。

内部向けのファシリティマネジメント

たとえば、インハウスでの内部向けのファシリティマネジメントとは施設利用者側(発注者側)目線から関わる業務のことです。私の携わっているファシリティマネジメント業務もこちらのインハウス側の方です。

自分たちの保有施設の監視システムにより蓄積された様々なデータや統計から現状を把握し、よりよい施設へと改善していくためにはどうすれば良いのか。自分たちは何を為すべきなのか。

明確な答えのない問いに対して自らで問題提起していき、自分たちの業務を考え遂行、答えを自分たちで模索していくことが業務の醍醐味となります。

内部向けのファシリティマネジメントは業務において工事会社のような外部向けのファシリティマネジメントよりも社内外で関わる人が広範囲に及びます。施設や設備に関係のなさそうな財務、総務、人事、施設の各テナントなどの分野の人たちとも関わりが出てきます。現場寄りの業務というより、資料作りや会議、その他打合せ業務が多いです。ですので、インハウスのような内部向けのファシリティマネジメントでは幅広い分野の知識とコミュニケーション力・スケジュール調整力が必要になってきます。

設備の故障がなくても日々の施設の運営においてどこか問題はないのか、使い勝手について不便なところがないのか、施設について改善してほしいとの声が社内であがっていないかなどを常に自分の情報感度の高めながら外部に向けておく必要があります。どのような案件でも自分事のように興味関心をもち、好奇心旺盛であるということが重要です。

インハウスにおけるファシリティマネジメント業務はマニュアル通りに日々淡々と同じ業務を繰り返し行えば良いというものではありません。流動的で未知なる問題に向き合うので自分次第で濃いものにも薄いものにもなります。

自らで考え問題提起し、改善、答えを導きだしていく。そんな主体性をもって日々業務に取り組める人がインハウスでのファシリティマネジメントに向いているといえるでしょう。逆に誰かの指示がないと動けないような人については非常に苦労すると思います。

私の場合はもともと電気設備の工事会社からこのインハウス系のファシリティマネジメントの職種に転職しました。ですので電気設備は自分の専門で自信がありましたが建築や機械設備については全くの門外漢でした。さらに固定資産の減価償却といった財務系の考え方も全く理解できず、総務系の社内ルールなども全くわからず本当に業務を覚えていくのに苦労しました。いや、今も苦労している最中ですね。上司にも良い歳して多々叱責され凹む毎日を過ごしています。しかし、そういった門外漢だった分野もめげずに一つ一つ学んでいくと少しずつわかってくるようになりました。自分の場合は業務を覚えて自分の成長を実感することにやりがいを感じ日々の業務に取り組めています。

外部向けのファシリティマネジメント

工事会社などで外部のクライアントからの要望に応え、実際に整備計画や工事の提案をおこない実現させていくのが主な業務です。クライアントのニーズを的確にくみ取り、最適な提案をする必要があります。業務上では主に建築や電気設備、機械設備といった各分野の専門業者やインハウス系のファシリティマネジメント業務に従事する人達との関わりになりますので、内部向けのファシリティマネジメントよりも関わる人たちは範囲が狭くなります。しかし、施工などの各専門分野において深い知識や豊富な経験が必要になってきます。現場や施工管理に近い業務を行うことが多いです。

建物というのはクライアントの思い通りに自由に何でも新築や改修、増築などを行って良いわけではなく様々な法的な手続きやルールをクリアする必要があり、技術面だけではなく、様々な法律について精通しておく必要があります。

また、最近のクライアントはただ単に安価に施工することのみを提案するより、今後は省エネや創エネなどの環境対策を絡めた施工など付加価値を求めている発注者が増えてくると思いますのでいかにそういったものを提案していけるか、という知見を磨いていくところが大事になって来るでしょう。

外部向けのファシリティマネジメント業者は内部向けのファシリティマネジメント業者などの補助的な役割を担い、より具体的な実務を遂行していきます。

私の企業の場合は業務委託先の業者がおり、その方々がまさしく外部向けのファシリティマネジメント業者として私たちインハウスのような内部向けのファシリティマネジメント職種を支えてくれています。

私の門外漢である建築や機械設備分野なども資料などを使ってわかりやすく説明して頂けるのですごくありがたいです。まだまだではありますが、おかげさまで一年間でひととおりの施設内の建築や機械設備のことがりかいできるようになり専門業者とのコミュニケーションがスムーズに取れるようになれました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?インハウスのような内部向けか工事会社のような外部向けの立場の違いによってファシリティマネジメントの業務に違いがあることがおわかりいただけたかと思います。また、ファシリティマネジメント業務というのは内部向け・外部向けに関係なく好奇心旺盛・主体的というのは必須条件であるということもお分かりいただけたかと思います。誰かの指示を受けそれを完璧に遂行することを得意とするような人は苦労するかもしれません。そして自分が経験したことのない分野も臆せず学ぶ精神がないといつまでも仕事を覚えることができないでしょう。

それでもファシリティマネジメントに興味を持っていただける方は更に自分はどういった立場でその仕事に関わっていきたいのか、この記事を参考に自己分析を進めていただけると嬉しいです。

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