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設備施工管理(管)が転職をした時の話

2023.07.18

当時の状況

私は管工事設備工事の会社に入社する前は医療ガス設備の配管、メンテナンス及び医療機器の修理関係の会社に勤めていました。

前職にて、とある工事の現場に入っていた際に、現職の会社の方とご縁があり転職のお声がけをしていただきました。

当時前職の会社では現状業務の停滞感もあり「このままでは成長はできないと」思っていた事、家族も出来て収入アップを望んでいた事もあり、転職を決意しました。

私の転職の際の経緯は比較的とても恵まれていたと思います。

当時私は「2級管工事施工管理技士」を持っていました。

人手不足なところもあったので入社はしやすい状況にありました。

ちなみに私が転職したときは約7年前くらいでしたが、業界として人手不足の現状は改善されていません。

当時持っていた資格

実務経験年数によって取得が可能な場合、まずは2級管工事施工管理技士から取得してみるのがお勧めです。

資格を持っているのといないのでは相手方の会社に対する印象が全く違います。

もし転職を考えるなら持っていた方が良い資格

「2級管工事施工管理技士」

「甲種消防設備士Ⅰ類」

管工事施工管理として転職する場合、持っておいた方が良い資格をあげるなら、上記になります。時間工事施工管理技士資格も、30代半ば以上であれば1級を持っておくに越したことはないかもしれません。

消防設備士は、消火設備工事を開始する際の工事の着工届、工事が完了した際の設置届を提出することが出来る資格なので、取得することをぜひお勧めします。

「屋内・屋外消火栓設備工事」「スプリンクラー設備工事」などは設備工事でも多い部類の工事ですので、資格取得者は非常に重宝されます。

やっておいてよかったと思う事

私の場合はまず、前職で現場での作業経験があったことが大きかったと思います。

また入社前に少し図面の書き方等を教えてくださったこと、資格(2級管工事施工管理技士・消防設備士)を取得できていた事もあったので比較的スムーズに施工管理業務に携わる事が出来たと思います。

実際には現場に飛び込んでみて覚える事が多い仕事ですので経験していくしかないのですが、もし未経験でのこの業界の会社に入社される場合には設備の知識だけでなく、建築の知識も少し取り入れていく方が良いと思います。

実際設備の配管を通すのは建築の構造体である場合もあり建築物の収まりを考えて配管をしないといけません。

(配管を好きな所に好きなように通すことはできないのです・・これは設備の宿命です)

私自身建築に対する知識がなかったので建築の収まり(どこに配管を通すことが出来るかどこは通せないか)を理解するのに少し時間がかかりました。

現場で経験することしかわからない事の方が多いですが、未経験から入られる方はざっくりとした建築物のイメージを持つだけでも仕事が少し進めやすくなると思います。

その点では建築物の参考書等なんでもいいので見てみることをお勧めします。

そしてなにより、一番やってよかったと思う事は「資格を取得していた事」です。

もし全くの未経験者でない方なら、必ず受験資格をクリアできる要素があると思います。

(経験年数を満たしている場合や受験資格が得られる資格を持っている場合など)

(補足)設備の図面はかなり複雑なので見方をしっかり覚えてしっかり書けるようにすることはかなり重要です。図面で職人は仕事をするので。

図面が書けないと現場が収められないと言っても過言ではないくらい、図面は現場の生命線です。

設備施工管理で転職を考える人にアドバイス・メッセージ

設備施工管理の仕事は正直に申し上げますとかなりハードです。

私の会社ではありがたいことに受注量もかなり多く、忙しい状態が続いております。

現場を2件、3件等掛け持ちする場合も多いです。

設備施工管理・電気施工管理の会社では、元請け会社(建築工事)と違い、下請けとして受注するためです。工事の規模に寄りますが、下請けは請負金額も少額なため、現場数を掛け持ちしないと人件費が出ません。

元請け会社(建築工事)の工程やその現場の作業所長(元請け責任者)との人間関係の相性も良ければ、掛け持ちをしていても比較的スムーズに現場が進められるかなと思います。しかし基本的にはなかなかハードです。(ほんとに会社の規模やスタンスによると思うので一概には言えないですが・・・)

また設備関係は法的にも知らないといけない知識がかなり多いですし、調整連絡しないといけない業種がかなり多い事も苦労する点の一つです。

まさに会社で言うところの中間管理職なのです。

しかしながら設備施工管理はライフラインに携わる仕事になるため、この仕事が途切れることはなかなかないのではないかと私は思います。

エアコンの更新や水回りの機器更新や大型機器の更新などアフターメンテも含めると仕事量は継続してずっとあり続けると思います。そこが設備施工管理のという仕事の最大の利点かなと思っています。

また設備はかなり奥が深いので、知識と経験を幅広く沢山身につけていけば、ゆくゆくは別の分野での転職も叶うと思います。自分の可能性が広げられる分野であるのは間違いありません。

私自身大変な仕事だと痛感することももちろんありますが、頑張ってさらに設備の道を拓いていきたいと思います。

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